第4回全国統一カイロプラクティック師免許試験

 

 

問題用紙

(この問題用紙は表紙を含めて全部で12ページです。)

注意事項

初めに「受験票」を机の左または右上に置いてください。

解答は、監督員による合図で始め、また終了してください。

試験場内での質問等は挙手をして監督員の指示を受けてください。

不正行為は即退室となります。

記入には黒の鉛筆またはシャープペンを使用してください。

下敷きの使用は認めません。

電卓・計算・辞書機能付の時計は持ち込みできません。

携帯電話・PHS・ポケベル等は、電源をOFFにしてカバン等にしまってください。

(時計としての使用は認めません。)

アラーム機能、音声機能付時計は、機能を解除しておいてください。

耳栓は、監督員の指示等が聞き取れないことがあるため使用できません。

試験場からの退室

答案が完成した場合でも試験開始後30分間、試験終了前5分間は退室できません。

解答用紙記入上の注意

解答用紙は「正」1枚を使用します。

選択式の場合

解答は正解と思う符号の   をなぞってください。

ズレ・はみ出し等がないように十分注意してください。

記入方法を誤ると得点になりません。

 良い例:         悪い例:

○×式の場合

解答は○または×を解答欄に記入してください。

訂正の場合は二重線を使用し、正しい解答を記入しなおしてください。

例:

 

複数解答の場合は不正解とします。

解答用紙には、[受験番号]のみを記入してください。(名前は記入しないこと)

[受験番号]を間違えると採点の対象となりません。

解答用紙は、折ったり破損したりしないよう注意してください。

途中で退室する場合は、

解答用紙を裏返して各自の机に置き監督員の指示に従って退室してください。

解答用紙を持ち帰った場合は不合格となります。

「受験票」は、合格後の免許証交付まで必要です。忘れずにお持ち帰りください。

「受験票」は実技会場にて実技試験官にお渡し頂き「開始」致します。必ずお持ちください。

問001 次の文章で正しいものはどれか。

A 肺胞表面には表面活性物質があり、肺のTypeT型内皮細胞で合成される。

B 吸気で肺胞の表面張力は小さく、呼気では大きくなる。

C 肺弾性はそれ自身の組織によって決まり、他組織の影響は受けない。

D 表面活性物質の量が増えると、肺胞の表面張力が増加する。

E 肺胞表面活性物質の欠乏は肺コンプライアンスを減少させる。

問002 次の文章で間違っているものはどれか。

A 内臓や深部組織に痛みがあると、しばしばそれが体表に放散し痛みを起こすことがある。このような痛みを関連痛という。

B 内臓に病変があると、対応する皮膚分節に痛覚過敏が起こることがある。

C 体性、内臓の両入力は、後角で痛覚伝導路ニューロンに収束する。このニューロンは通常体性痛覚を伝えている。

D 内臓起源の痛覚刺激によって興奮しても、脳はこれを区別せず体部の痛みとして捉えてしまうというのである。

E 自律神経節、脊髄、脳幹、視床下部に入った感覚性シグナルは内臓反射のシステムには影響されない。

問003 眼の網膜は厚さが0.2mm前後の薄い膜であるが、その組織についての説明で間違っているものはどれか。

A 網膜細胞層

B 外顆粒層

C 外網状層

D 杆体錐体層

E 視神経線維層

問004 次の文章で間違っているものはどれか。

A 消化管での自発性の活動電位は膜電位の脱分極で調節される。

B 消化管にはアウエルバッハ神経叢とマイスネル神経叢がある。

C 消化管での横紋筋の収縮活動は、神経性調節と液性調節を受ける。

D 胃腸ホルモンは胃腸管運動を促進するものもあり抑制するものもある。

E 消化管平滑筋は緊張性と律動性収縮を示す。

問005 次の文章で間違っているものはどれか。

A 脊髄の灰白質は細胞構築学的にT〜]の層に区分される。

B 後角のT〜W層は感覚の領域である。

C 前角の\層には後根に軸索を送る運動ニューロンがある。

D X〜[層には、種々の脊髄下行路と筋の一次求心性線維が終止する。

E 運動の統合に重要な役割を果たす介在ニューロンは主としてX〜[層領域を占める。

問006 次の文章で間違っているものはどれか。

A 筋紡錘は結合組織の皮膜に包まれた2〜12本の錘内筋線維と、これを支配する感覚性および運動性の神経線維からなる。

B 錘内筋線維の中央部は収縮が起こらず、両極部の収縮によって引っぱられ変形する。

C 筋紡錘の中央部は運動神経の終末が終わる領域であり、この部位の変形が運動として認識される。

D 錘内筋線維は運動神経線維の支配を受けている。主にAγ群に属する3〜8μmの細い線維からなるのでγ運動線維とも呼ばれる。

E β運動線維は錘内、錘外の両方の筋線維を支配するが、これらの運動線維は錘内筋線維の両極部、すなわち収縮性を有する部分に終末をつくって終わる。

 

問007 次の文章で間違っているものはどれか。

A 一般的にいって鼓索神経が支配する舌前野の味受容器は、砂糖に感受性が高い。

B 舌咽神経は舌後方野を支配し、キニーネに対する感受性が特に優れている。

C 口蓋を支配する大錐体神経は蔗糖または酸に対して最大の応答を示し、キニーネに対する反応は小さい。

D 上喉頭神経が支配する喉頭蓋の化学受容器の特徴は、低閾値の機械刺激や純水刺激に感受性がある。

E 喉頭蓋の化学受容器からの情報は、食品の化学組成をモニターするとともに嚥下反射に際して気道を保護することに役立つ。

問008 次の文章で間違っているものはどれか。

A 肢の皮膚に痛、熱あるいは触刺激を加えると、肢全体を引っ込めて刺激から遠ざかろうとする反射運動が起こる。この反射を屈曲反射という。

B 交差性伸展反射では、刺激側の肢の反射に伴い同側の肢が伸展する。

C 脊髄前根を逆行性に刺激すると、運動ニューロンにIPSPが2シナプス性に発生する。

D 上記Cの現象はα運動ニューロンの軸索のインパルスが反回側枝を通って抑制性介在ニューロンを興奮させ、その作用が運動ニューロンに及んだためである。

E 反回側枝によって賦活される抑制ニューロンをRenshaw細胞と呼び、これによる抑制をRenshaw抑制という。

問009 脳神経領域に特異的な反射が多く存在するが、下記の反射の中で該当しない反射はどれか。

A 眼瞼反射

B 閉口反射

C 咬筋反射

D 嚥下反射

E 咳・くしゃみの反射

問010 次の文章で間違っているものはどれか。

A 内臓器官の多くは、交感神経と副交感神経の遠心性線維によって二重に支配されている。

B 交感神経のみに支配される器官は瞳孔散大筋、副腎髄質、脾臓、立毛筋、汗腺、大部分の血管があげられる。

C 副交感神経のみの支配を受ける器官は瞳孔括約筋があげられる。

D 副交感神経節後線維からは一般にアセチルコリンが放出される。

E 効果器のアセチルコリンに対する応答は器官によって異なる。たとえば心臓に対しては促進性に、胃腸管機能あるいは唾液腺や涙腺などの頭部にある腺に対しては抑制性に作用する。

問011 レム睡眠(逆説睡眠)についての説明で間違っているものはどれか。

A 睡眠が深いほど脳波の周波数が少なくなる。

B 一番覚醒し難い睡眠時には、脳波がかえってより遅い波を含む。

C 入睡して2時間くらい経過すると傾眠と似た脳波が出現する。

D レム睡眠または逆説睡眠の段階では、急速眼球運動、顔面、手足の小さな攣縮が生じ、夢体験が活発であり、筋のトーヌスは完全に消失する。

E ノンレム睡眠を徐波睡眠とも言い、睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠に分けられる。

問012 次の文章で間違っているものはどれか。

A 腱を引っ張ってあるいは関節を曲げて腱を引き伸ばすと、伸張された筋の筋紡錘の求心性インパルスが増強して、反射性に収縮する。この反射を収縮反射という。

B 拮抗筋の運動ニューロンを抑制して収縮を弱める。この抑制性の反射を拮抗抑制という。

C Golgiの腱受容器は筋の張力受容器であり、筋線維が腱に移行する部分に存在する。

D 腱受容器は自らの筋の運動ニューロンを反射性に抑制する。伸筋でとくに顕著に見られる。

E 自原抑制は、その負帰還作用によって筋の張力を一定に保とうとする機構である。 

 

 

 

 

問013 脾臓についての説明で間違っているものはどれか。

A 脾臓は左下肋部に存在し、成人では長さ10cm、幅6〜7cm、厚さ3cm程度の実質性臓器である。

B 脾臓の機能に赤血球の破壊がある。

C 脾臓は胎生期における造血作用を行なう。

D 脾臓は赤血球の貯蔵庫である。

E 脾臓は組織欠損が起こると再生することができない。

問014 脳神経領域に特異的な反射が多く存在するが、下記の反射の中で該当しない反射はどれか。

A 眼瞼反射

B 閉口反射

C 咬筋反射

D 嚥下反射

E 咳・くしゃみの反射

問015 次の文章で間違っているものはどれか。

A 心臓交感神経は心臓の活動を促進的に働かせる。

B 心臓迷走神経は抑制的に働く。

C 心臓交感神経は心房、心室ともに作用してその収縮性を増加させる。

D 心臓迷走神経は、心房の収縮性を低下させるが、高等動物の心室の収縮性には副次的な抑制作用しか示さない。

E 副腎髄質から分泌されるアセチルコリンは心臓交感神経と同様に心拍数を多くし、心臓収縮性を高める。

問016 次の文章で間違っているものはどれか。

A 血圧の正常範囲を厳密に規定することはもとより不可能であるが、医師の診断を助ける意味でいろいろな境界値が提唱されている。

B わが国では収縮期血圧160mmHg、弛緩期血圧90mmHg以上を高血圧として取り扱うことが多い。

C 収縮期血圧は男性で100mmHg、女性で90mmHg以下のとき低血圧という。

D WHOの診断基準では性、年齢に関係なく140/90mmHg未満を正常とし、収縮期血圧160mmHg以上を高血圧と判定する。

E 血圧の測定には長期的な観察による変化を調べて正常か否かを決めるのが順当である。

問017 次の文章で間違っているものはどれか。

A 毛細血管の血流に影響を及ぼす生理的な化学物質としてはアドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、乳酸、CO2などがある。

B アドレナリン、ノルアドレナリンは毛細血管血流を増加させるが、アセチルコリンや乳酸は血流を減少させる。

C リンパ系は血漿容量ならびに血漿蛋白量の維持機構として重要な役割を果たしている。

D リンパ系は、長鎖脂肪、脂溶性ビタミンの吸収・輸送、免疫グロブリン、一部ホルモンの転送を行なう。

E リンパ系は、炎症反応時の各種活性物質や癌細胞の移送など、血管系と並列に存在する輸送路としての働きもある。

問018 次の文章で間違っているものはどれか。

A 血管運動神経には運動神経性血管収縮線維、運動神経性血管拡張線維および自律神経性血管拡張線維がある。

B 交感神経性血管収縮線維は最も広範囲に分布し、常に調節活動を行なっているために影響力も強力である。

C 交感神経性血管収縮線維は神経終末からノルアドレナリンを放出する。

D 交感神経性血管収縮線維は、血管平滑筋のα1受容体に作用して血管の収縮を起こさせるため、交感神経性アドレナリン作動性線維とも呼ばれる。

E 交感神経性血管収縮線維は、全身の血管のうち胎盤を除いてすべてに分布している。

 

 

問019 次の文章で間違っているものはどれか。

A 高血圧は血圧が異常に高い状態を指し、その原因も一つではない。

B 高血圧の約90%では、詳しく検査しても原因がわからず、これを本態性高血圧と呼ぶ。

C 原因のよく分からない高血圧のほとんどは心因性であることが多い。

D 原因の明らかな高血圧は、その原因によって腎性高血圧、内分泌性高血圧、心血管性高血圧、神経性高血圧に分類できる。

E 高血圧で、原因の明らかなものを二次性高血圧と呼ぶ。

問020 次の文章で間違っているものはどれか。

A 心臓交感神経は心臓の活動を促進的に働かせる。

B 心臓迷走神経は抑制的に働く。

C 心臓交感神経は心房、心室ともに作用してその収縮性を増加させる。

D 心臓迷走神経は、心房の収縮性を低下させるが、高等動物の心室の収縮性には副次的な抑制作用しか示さない。

E 副腎髄質から分泌されるアセチルコリンは心臓交感神経と同様に心拍数を多くし、心臓収縮性を高める。

問021 次の文章で間違っているものはどれか。

A 呼吸筋は発声、会話等のような上位中枢を介する随意的運動にも利用されており、また咳やくしゃみのような不随意呼吸運動が自発呼吸の間に入ることもある。

B 随意性の骨格筋が自動的、周期的に運動をくりかえすことが呼吸運動の大きな特徴である。

C くしゃみ反射とは鼻粘膜の刺激で誘発され、求心路は副神経である。

D くしゃみ反射は短い吸息に続く爆発的呼吸で、空気や分泌物が鼻口により排出される。

E くしゃみ反射が起こると、その間の自発呼吸リズムは抑制される。

問022 次の文章で間違っているものはどれか。

A 血液と平衡させたガスの酸素分圧とヘモグロビンの酸素飽和度との関係を示す曲線を酸素解離曲線という。

B 酸素解離曲線がS状である場合は、酸素飽和度の小さいとき結合が弱く、酸素結合量が増すにつれて強くなっていく。

C 自発性呼吸の制御には、代謝活動と換気量できまる重要なフィードバック系が存在する。

D 血液ガス値と肺呼吸、そして呼吸筋の制御は脊髄運動ニューロンによってフィードバックされている。

E 酸素解離曲線の右方シフトは温度上昇、pH低下、PCH2上昇、C1-増加、2,3-DPG増加の場合に起こり、酸素供給量は増加する。

問023 次の文章で間違っているものはどれか。

A 呼吸の際に、最大吸気位からゆっくりできるだけ多く呼出する気量を心肺数という。

B 肺活量は予備吸気量と1回換気量と予備呼気量の和に等しい。

C 最大吸気位からできるだけ速く一気に呼出する気量を努力肺活量という。

D 努力肺活量のうち1秒間に呼出される気量の割合をパーセントで表わした1秒率が肺機能の重要な指標としてしばしば用いられる。

E 最大吸気から強制的に一気に呼出するときの、グラフ化でできる曲線を強制呼出曲線と呼ぶ。

問024 次の文章で間違っているものはどれか。

A 胃底腺の副細胞はアルカリ性粘液を分泌し、壁細胞は塩酸を分泌し、ビタミンB12の内因子を分泌する。

B 胃底腺の主細胞はグルタミン酸を分泌する。

C すべての大唾液腺に分布する交感神経は胸髄の1〜4から発し、上頚神経節でニューロンを変える。

D 耳下腺の副交感神経は、延髄の下唾液神経核から舌咽神経を経て耳神経節に入り、ここでニューロンを変えて耳下腺を支配する。

E 顎下腺および舌下腺では、延髄の上唾液神経核から顔面神経を経て鼓索神経、さらに舌神経になり、腺の近傍でニューロンをかえて腺組織を支配する。

問025 脈圧についての説明で正しいものはどれか。

A 動脈圧波形で、上行脚の立ち上がりから切痕までが心臓の弛緩期、切痕から次の立ち上がりまでが収縮期である。

B 大動脈の圧波形では、上行脚に拍出期の終わりに大動脈弁が急に閉鎖することによって生ずる切痕がある。

C 脈圧は末梢に進むにつれて収縮期圧が増大し、弛緩期圧が減少するので大きくなる。

D 弛緩期血圧に脈圧を2で割ったものを加えたものが、平均動脈血圧である。

E 動脈圧の最大値が収縮期圧で、これを最低血圧という。

問026 神経節細胞に応答を起こす網膜上の受容領野は、直径2mm程度のほぼ円形の領域である。その受容領野は、ほぼ同心円的な中心部と周辺部に分けられる。中心部と周辺部は拮抗的に働くが、次の記述はどれが正しいか。

A 中心部の照射でon放電を示すものは、周辺部ではoff放電を示すon中心/off周辺型がある。

B 中心部でoff放電を示すものは、周辺部ではon放電を示すoff中心/on周辺型がある。

C 両型とも存在しない。

D 両型ともある。

問027 次の文章で正しいものはどれか。

A すべての色合いは三つの基本的な原色:赤(700nm)、緑(546nm)および黄(435nm)の混合により得られる、とするのが三色説である。

B 赤、黄、緑、青の4色に白と黒を加え、それぞれの分解と合成により白−黒、赤−黄、緑−青の感覚が生ずることから色覚の機序を説明するのが反対色説である。

C 反対色説は補色、対比の現象説明に有利な説である。

D 赤、緑、青の三つが同じ程度に刺激されると黒の感覚が生じる。

問028 視覚情報は網膜の神経節細胞から外側膝状体までには、on中心/off周辺型あるいはoff中心/on周辺型等の同心円型の処理を受けるが、大脳皮質視覚野に至ったとき、次のうち正しいものはどれか。

A 超複雑型では、ニューロンはある特定の方位軸をもつ刺激に選択的に応じる。

B 単純型では、受容領野のどこに刺激図形を与えても同じ応答が生じ、on/off領野の区別がない。

C 複雑型ではより複雑な入力を要するもの、つまり単純型から興奮と抑制を受けるような高次なものである。

D 以上のほかに単純型はX型ニューロン、複雑型はY型ニューロンの入力を受ける並列処理の考え方もある。

問029 味覚についての説明で正しいものはどれか。

A 甘味を呈するフェニール・チオ・カルバミドの味覚閾値は、個人差が特に著しい。

B 味覚の測定で、ある味溶液が水と違うと感じる濃度を検知閾という。

C クエン酸は、男性が女性より低い閾値を示す。

D 舌縁部は甘味と塩味、舌尖部は酸味、舌根部は苦味に鋭敏である。

問030 運動中枢についての説明で間違っているものはどれか。

A 新しい運動を学習し、これに習熟するのも運動中枢の働きによる。

B 大脳皮質連合野、運動野、基底核などをめぐる神経回路によって運動プログラムは作られる。

C 運動姿勢のパターンを組み立て、点検と修正を行なって目的の運動を達成する。

D 学習効果は一般に一時的で、そのつどプログラムが作成される。

E 大脳皮質から脊髄に至るあらゆるレベルに存在する。

 

 

 

 

問031 シナプス前抑制についての説明で正しいものはどれか。

A 屈筋Ia群線維のインパルスがIa群線維にaxo-axonic synapseをつくって終わる介在ニューロンを収縮させる。

B primary afferent depolarizationの作用によりIa群線維の終末が脱分極する。

C Ia群線維の刺激によって運動ニューロンに発生する単シナプス性EPSPは、屈筋Ia群線維の条件刺激によって振幅が増幅する。

D 脱分極のために、インパルスにより終末から放出される伝達物質の量が増大する。

E 一次求心性線維から脊髄ニューロンへの信号の伝達は、シナプス前抑制によって調節を受ける。

問032 次の文章で間違っているものはどれか。

A 運動ニューロンの軸索は、筋内で分枝して多数の筋線維を支配する。

B 運動の効果器は骨格筋である。

C 運動ニューロン・プールのニューロン数は、筋線維の数より少ない。

D ネコのヒラメ筋は150本の筋線維よりなり、これを支配する運動ニューロンは25,000個である。

E 筋細胞は運動ニューロンに支配され、収縮活動をする。

問033 次の文章で正しいものはどれか。

A 一次運動野に占める体部位局在の割合は、身体各部の占める面積に比例し、手の運動機能や複雑な言語機能に関する部位の領域は相対的に狭くなっている。

B 一次運動野は大脳半球の上部に向かって狭くなっているが、下方ではしだいに広くなり、下頭前回あたりでは中心溝の前壁のみになる。

C 一次運動野が破壊除去されると、皮質脊髄路の大部分が交差性であるので、反対側の支配筋の弛緩性麻痺が起こり、随意運動ができなくなる。麻痺はヒトの場合著明でヒト以外の動物には麻痺は起こらない。

D 一次運動野への直接の大脳皮質性入力は、運動前野ないし補足運動野、体性感覚野および頭頂連合野からの連合線維と対側の前頭連合野からの交連線維である。

E 一次運動野に電流刺激を加え、皮質脊髄路細胞が発火すると、そのインパルスが下行し、反対側の脊髄運動ニューロンを直接あるいは間接に興奮発火させ、対応した個々の骨格筋の収縮が起こる。

問034 前頭眼野(8野)についての文章で間違っているものはどれか。

A この皮質領野は、視野の中の標的に随意的に視線を移しかえるときにも生じる。

B 眼球運動に関係し、刺激によって反対側に向かう眼球の共役偏位が起こる。

C 破壊されると、一時的にしろ反対側に視線を向けることができなくなる。

D 上丘と橋網様体が関連していることが示唆されている。

E 追跡眼球運動に関与している。

問035 次の文章で間違っているものはどれか。

A 運動性皮質は、狭義には一次運動野と運動前野および大脳半球内側面の補足運動野をいう。

B 運動性皮質はW層とX層の錐体細胞層がよく発達し、Y層の顆粒細胞層はほとんど認められないので、無顆粒性皮質と呼ばれる。

C 運動性皮質は感覚性皮質、連合性皮質とともに新皮質に属し、発生過程で6層構造を示す時期があり、同種皮質と呼ばれる。

D 運動性皮質は、脳幹ないし脊髄の運動神経細胞を介して、運動の効果器である骨格筋を密接に支配する出力細胞を豊富に備えている大脳皮質である。

E 運動性皮質には、多数の神経細胞と神経線維が含まれ、神経細胞は錐体、星状または顆粒および紡錘細胞の3種である。

問036 次の文章で正しいものはどれか。

A 6野は半球外側面の上方で狭く、下方で広くなっている。

B 6野の大きさはヒトでは4野の6倍くらいある。

C 6野に接してその吻側にあるのは、運動前野の4野である。

D 6野は顆粒性で、Betzの巨大錐体細胞を欠く。

E 6野の中に補足運動野があり、半球内側面6aa の6bと部分に相当する。

問037 次の文章で間違っているものはどれか。

A 小脳の機能は、体の平衡と運動および姿勢の制御に関与している。

B 脊髄から小脳に入った感覚情報は、間接的に脊髄の運動ニューロンの活動を制御する。

C 小脳損傷の際は、小脳運動失調や意識障害、知覚機能障害が現れる。

D 小脳核は小脳の虫部に対応する内側核、半球中間部に対応する中位核、半球外側部に対応する外側核の三対ある。

E 小脳皮質は分子層、プルキンエ細胞層、顆粒細胞層が区分され、この中に星状細胞、バスケット細胞、プルキンエ細胞、ゴルジ細胞、顆粒細胞が含まれている。

問038 次の文章で正しいものはどれか。

A 摂食中枢ニューロンの20〜30%はグルコースによって特異的に活動が抑制され、グルコース受容ニューロンと呼ばれる。このグルコースの抑制作用は膜抵抗の変化を伴わない膜の過分極による。

B 満腹中枢ニューロンの20〜30%はグルコース感受性ニューロンと呼ばれ、摂食中枢グルコース感受性ニューロンとは逆に、グルコースによって活動が特異的に促進される。この促進作用はKコンダクタンスの減少による膜抵抗の増大を伴う脱分極によるものである。

C 摂食中枢グルコース感受性ニューロンの活動は、血中のグルコース濃度の上昇と遊離脂肪酸濃度の減少によってますます促進され、グルコース受容ニューロンの活動はますます低下する結果、強い空腹感が発生する。

D 満腹中枢グルコース受容ニューロンの活動は、血中グルコース濃度の減少と遊離脂肪酸の濃度の上昇によってますます促進され、摂食中枢グルコース感受性ニューロンの活動はますます抑制される。こうして満腹感が発生し、摂食活動は停止する。

E 視床下部の視床下部腹内側核と視床下部外側野は、摂食行動の調節中枢として働いているが、また血糖調節にも重要な役割を果たしている。

問039 自律神経節中枢についての説明で間違っているものはどれか。

A 交感神経節前ニューロンの細胞体は、主として脊髄灰白質の中心管周囲核に存在する。

B 節前ニューロン細胞体が上位中枢から影響を受ける度合いは、その細胞が支配する自律性効果器の機能によって異なる。

C 脳幹には生命の維持に必要な循環、呼吸、排尿などの自律機能を調節する中枢が存在する。

D 視床下部は脊髄および脳幹と連絡しており、脊髄と脳幹の自律神経調節過程を統合する高次の自律神経中枢として働いている。

E 大脳辺縁系は視床下部レベルで統合される種々の機能を、本能や情動行動に協調させる場である。

問040 次の文章で間違っているものはどれか。

A 極端に太ったりやせたりすることのない健康な動物は、摂取食物のエネルギー出納の平衡が保たれている。

B 主観的な経験によれば、空腹は胃の部位に限局する一般感覚である。

C 動物の胃の神経を切除したり全部摘出すると、ヒトと同じように摂食量に変化が起こる。

D 空腹情報として血中グルコース、インスリンなどの濃度減少、遊離脂肪酸などの濃度上昇などが上げられる。

E 摂食行動はほとんどすべての脳機能の協調と統合によって成り立つ。

問041 赤血球についての説明で間違っているものはどれか。

A 平均寿命は約120日である。

B 直径は平均6m mである。

C 流血中の赤血球は老化に伴って表面の脂質が脱落する。

D 出生後の赤血球は赤色骨髄でつくられる。

E 血色素の大部分はグロビンである。

問042 赤血球分化、成熟の調節に関係しないものは次のうちどれか。

A erythropoietin

B 甲状腺ホルモン

C ビタミンB12

D 鉄

E アセチルコリン

問043 ABO血液型についての説明で正しいものはどれか。

A A型の血漿中には抗A抗体、B型の血漿中に抗B抗体、O型の血漿中には抗A抗体と抗B抗体がともに含む。AB型の血漿中には抗体がない。

B 抗原A2型ならびにA2B型の血液型を有する人に自然抗体として抗A2抗体がみられることもある。

C 抗体の大部分はIgMまたはIgGであり、IgG抗体は二価、IgM抗体は多価である。

D 生後2〜8カ月後、A抗体またはB抗体に対する自然抗原が血漿中に形成される。

E ヒトの赤血球の膜には、ABO型抗体を決定する糖脂質が存在する。

問044 脾臓の機能でないものはどれか。

A 消化機能

B 防衛機能

C 胎生期における造血作用

D 赤血球の破壊

E 赤血球の貯蔵

問045 血液凝固を阻止しない物質はどれか。

A α2-アンチプラスミン(α2-AP)

B 高分子キニノゲン

C アンチトロンビンV(ATV)

D ヘパリン・コンファクターU(HCU)

E プロテインCとプロテインS

問046 次の文章で正しいものはどれか。

A 6野は半球外側面の上方で狭く、下方で広くなっている。

B 6野の大きさはヒトでは4野の6倍くらいある。

C 6野に接してその吻側にあるのは、運動前野の4野である。

D 6野は顆粒性で、Betzの巨大錐体細胞を欠く。

E 6野の中に補足運動野があり、半球内側面6aa の6bと部分に相当する。

問047 線溶系の血中阻止物質でないのはどれか。

A plasminogen activator(t-PA)

B PAI

C α2-アンチプラスミン(α2-AP)

D α2-マクログロブリン

E α1-アンチトリプシン

問048 次の文章で間違っているものはどれか。

A 心筋が時間をかけて収縮し、心拍出が有効に行なわれるためには、心筋の長い活動電位が必要である。

B 心臓が興奮するのは、洞房結節の興奮が発生することによる。

C 固有心筋、特殊心筋とも静止電位の大きさは-80〜-90mVである。

D 房室結節の活動電位には1相がない。

E プルキンエ線維の伝導速度は洞房結節のそれより早い。

問049 中枢性調節機構で防衛反応における循環系の変化についての説明で間違っているものはどれか。

A 心臓交感神経の興奮によって心臓の収縮性があがり、心拍出量が増える。

B 心臓迷走神経の抑制により心拍数が増加する。

C 交感神経性血管収縮線維の興奮により血管収縮と総抹消抵抗の増加が起こる。血管収縮は特に腎臓、消化管の血管で著しい。

D 他の血管が収縮する中で骨格筋の血管だけは拡張する。この反応は副交感神経性血管収縮線維による。

E 血圧も当然上昇する。

問050 交感神経−副腎系と循環調節についての説明で間違っているものはどれか。

A アドレナリンは筋血流と肝血流を増加させるが、ノルアドレナリンはこれらに影響しないか減少させる。

B 組織の代謝機能に影響を及ぼし、特に筋血管、肝血管の拡張を起こす点で、交感神経血管収縮線維と異なる。

C アドレナリンとノルアドレナリンがともに分泌される。ヒトではアドレナリンの比率が圧倒的に高い。アドレナリンとノルアドレナリンは循環系にほぼ共通な作用を及ぼす。

D 交感神経が激しく興奮したときに調節効果が発揮される。

E 作用時間が約10倍長い。つまり交感神経終末から刺激により放出されるノルアドレナリンは、ほとんど神経終末に再吸収されるために作用時間が長い。

問051 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

@  細胞核は細胞の中枢であり、その中に含まれるDNAはここで各種のRNAをつくる。

× A 核膜孔から送り出されたRNAは、リボソーム上で細胞に必要な遺伝子をつくる。

B 染色体は遺伝子の集合体で、染色体1個1個の中の遺伝子の座位を定めることができる。

C 細胞核は遺伝情報の保持、表現、情報の感受等の機能をもつ。

× D ミトコンドリアの主要な役割は、代謝産物を酸素を用いて水と炭酸ガスにまで分解し、エネルギーによって蛋白質を合成することである。

問052 細胞の輸送機能について正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

× @ 単純拡散は膜動輸送である。

A 促進拡散(促通拡散)にはVmaxやKmが存在する。

× B  能動輸送には一次性と二次性があり、電気化学ポテンシャル差による輸送である。

C 飲作用と食作用は内向きの膜動輸送である。

× D 外向き膜動輸送には消化酵素系、神経伝達物質の分泌があり細胞内に取り入れる。

問053 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

@ Bozlerの分類によれば、支配神経の興奮したときにのみ活動電位を発生する平滑筋を多元平滑筋といい、自発的に活動電位を発生しており、支配神経の興奮はその頻度を変化させている平滑筋を内臓平滑筋という。

× A 平滑筋は運動神経の支配下にある。

B ニューロンの細胞体部分は細胞の生存をにない、情報処理の統合を行なう。樹状突起部分は他のニューロンからの情報の主な受信部位である。軸索部分は細胞体からの情報を送り出す部位である。

× C 脳の高次機能で最も重要な学習や記憶の基礎は細胞体にあるといってよい。

D シナプス伝達の様式は化学的伝達と電気的伝達がある。シナプス前末端では伝達物質をシナプス小胞に蓄える。

問054 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

× @ STXがNaチャネルと1対1で結合すると考えると、膜へのSTX結合量からNaチャネルの興奮性膜における密度を推定できる。

A Naチャネルの密度は、有髄神経のランヴィエ絞輪部のように12,000/um2あるものから30/um2あるものまである。

× B Na電流密度もほぼ逆比例して変化している。1個のNaチャネルを流れる電流量あるいはコンダクタンス興奮性膜の種類によって、ほぼ一定ではないかと考えられる。

× C 沼らの研究によって、電気ウナギの電気器官のNaチャネル蛋白質の一次構造が相補的RNAの塩基配列の解析から決定された。

D Naチャネルは1,820アミノ酸残基からなり、分子内に4個の機能的サブユニットというべき繰り返し構造があり、その一つひとつが少なくとも4箇所以上の膜内領域を持つことが明らかにされている。

 

 

問055 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

至適長さとは筋節が2.0〜2.2μmのときの筋の長さである。至適長さには筋の発生張力が最大で、それより長くなっても短くなっても小さくなる。

問056 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

× @ 動脈血圧は性別や年齢で異なるほか、情動や代謝状態などによっても容易に影響を受ける。血圧の値は明らかに加齢に伴って上昇する。その日内変動は著しい。睡眠中は収縮期、弛緩期血圧ともに高くなる。

× A 圧脈波と反対に、流速脈波の振幅は大動脈を通過する間に著減する。弛緩期での流速の山は、下行大動脈の近位部でいったん低くなるが、それ以後漸減し、大動脈から分枝した動脈では弛緩期の血流はほぼ一定に近くなる。

B 骨格筋が活動していないときには、筋肉の全毛細血管のうち血流が見られるのはわずか数十分の1にすぎない。しかもその口径は狭い。筋が収縮活動を起こすと、ほとんど全部の毛細血管が流路となって血流は著しく増加する。たとえば、安静時には筋の断面1mm2当たり9個の毛細血管が開いていたのが、収縮時には190個に増加するという。

C 動脈の内圧を測定してみると、心周期と同じ周期で時間的に変動する。動脈圧波が上行脚と下行脚からなり、上行脚起始部の近くにときとして小さい隆起(前方隆起)をみることがある。大動脈の圧波形では下行脚に必ず切痕がある。切痕は拍出期の終わりに大動脈弁が急に閉鎖することによって生じる。したがって、上行脚の立ち上がりから切痕までの期間が心臓の収縮期を、切痕から次の圧波形の立ち上がりまでの期間が弛緩期を表す。つづいて起こる第2の高まりを重複性波という。

D 成人の1日のリンパ流量はだいたい全血漿容量程度(2〜4l/day)で、1時間流量では1.0〜1.6ml/kg・hrと、静脈血流量に比較して非常に少ない。このリンパの70〜80%は胸管を通って左静脈角より静脈系に入る。

問057 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

@ 呼吸運動は主に横隔膜の移動および肋間筋の収縮による肋骨の移動で行なわれる。これらの筋は呼吸筋と呼ばれ随意筋である。

× A くしゃみ反射とは、喉頭粘膜中の順応の早い伸展受容器が機械的にあるいは刺激性化学物質によって刺激されると、くしゃみ反射を起こす。求心路は上喉頭神経と反回神経に含まれる。くしゃみは努力性吸息に続く爆発的呼息により、口から空気や分泌物が排出される。呼息直前に声門は閉鎖し、その後開く。血圧上昇と気管支収縮を伴い、あとの自発呼吸は緩徐になる。

× B 正常状態では、Pco2の上昇は化学受容器で感受され、呼吸中枢を介して肺胞換気の増大という経過をとる。CO2による強い呼吸促進の大部分は末梢化学受容器の刺激によるものであり、残りの大部分は中枢性の刺激に由来している。

C 肺のガス交換が継続するためには、肺内空気が次々と外界の空気と入れかわる必要がある。しかし、肺自体は能動的に広がる能力をもたないので、肺を囲む胸郭の動きによって受動的に拡張、収縮させられている。

D 主要な呼吸筋は脊髄前角の運動ニューロンに支配されているが、このニューロンには周期的呼吸運動を発生させる能力はなく、延髄の呼吸中枢のニューロンからインパルスによって周期的に駆動されている。

問058 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

@ 呼吸筋は発声、会話等のような上位中枢を介する随意的運動にも利用されており、また咳やくしゃみのような不随意呼吸運動が自発呼吸の間に入ることもある。このように随意性の骨格筋が自動的、周期的に運動をくりかえすことが呼吸運動の大きな特徴である。

× A  咳反射とは鼻粘膜の刺激で誘発され、求心路は三叉神経である。短い吸息に続く爆発的呼吸で、空気や分泌物が鼻口により排出される。その間、自発呼吸リズムは抑制される。

B 呼吸運動の基本的機能は肺におけるガス交換の維持であり、意識しなくてもまた睡眠中や軽い麻酔下でも延髄の呼吸中枢によって自動的に呼吸運動がくりかえされている。

C 組織におけるガスの拡散はFickの拡散の法則に従う。すなわちある組織層での単位時間に、拡散により移動する物質量は層の両側の物質の濃度勾配および層の面積の比例し、層の厚さに逆比例する。

D 肺胞上皮細胞にはTypeT細胞とTypeU細胞とがある。TypeU細胞は10〜15m mの厚さをもち、TypeT細胞の間にあって立方形をしており、このためTypeT細胞より数は多いが肺胞被覆面積は5%にしか過ぎない。

 

問059 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

@ 迷走神経刺激は、胃の運動に対して亢進と抑制の二つの作用をもつ。亢進作用はシナプスをつくる経路により、抑制作用は非アドレナリン作動性の終末ニューロンとつながる経路により発現する。

A 胃から十二指腸への内容物の排出は、幽門ポンプの活動と胃十二指腸括約部による糜粥の流動の調節により支配される。幽門ポンプの排出量は、蠕動収縮により生ずる幽門のくびれの大きさの割に少ない。

B 嘔吐は胃腸管の内容物が口外に強制的に吐き出される反射運動であり、末梢性と中枢性の二つの反射機序により引き起こされる。

× C 口側から肛門側に向かって起こる蠕動収縮を蠕動運動の極性という。十二指腸および回盲部付近では肛門側から口側に向かって蠕動収縮の逆行がみられる。これを逆蠕動運動の極性という。

D 回盲括約部は約4cmにわたって輪走筋が肥厚しており、この部位を境にして盲腸部位は受け入れ弛緩の状態にあり、回盲部より内圧が低い。しかし平常はこの部位は緊張性収縮の状態にあり、回腸の糜粥が盲腸に流入するのが抑えられている。

問060 次の文章のうち正しいものには○を、間違っているものには×を記せ。

× @ 糸球体濾過量の調節には、血流依存性の部分のほかに尿細管糸球体フィードバックを介する機序も重要である。実験的に遠位側ネフロン、特に密集斑の部位を流れる流速と糸球体濾過量とは正相間する。

× A 濾過比(FF)は 糸球体濾過量/腎血流量 で計算される。

B 血液が腎を1回循環する間に糸球体での濾過と尿細管からの分泌によって尿中に完全に排泄される物質のクリアランスは腎血漿流量を示す。このような物質としてパラアミノ馬尿酸(PAH)が広く用いられている。すなわち腎血漿流量はPAHの腎のクリアランスとして測定される。

× C 糸球体で濾過された血液は輸入細動脈から出ていく。

D 糸球体濾過量も腎血流量と同様に、ある範囲内では血圧の変化にかかわりなく、その値が一定に保たれていて、いわゆる自己調節の大部分は腎血流量の自己調節に依存している。