第4回

痛みはなぜ「原因不明」になるか

 

 

 

カイロ博士プロフィール

甲木寿人(かつき・ひさし)
早稲田大学卒業。2002年3月まで、早稲田大学体育局講師(非常勤)として「姿勢と健康」の講義を受け持ち、現在公開講座「生涯学習」を担当。
日本カイロプラクティックフォーラム会長を務める。

背骨のゆがみとさまざまな症状との関係を簡単に説明します。
背骨の中には、脳からくる神経(脊髄)が通っています。脳から通じている神経は、背骨の中の脊髄を通って手足の筋肉から内臓まで、全身のあらゆる部分にはりめぐらされています。

背骨がゆがむと、その部分の近くを通っているいろいろな神経の根元を圧迫して、手足の先から腰、肩、頭などに痛みの症状を発生させるのです。

また、背骨のゆがんだ部分が、目に見えない小さな神経を刺激することで、予想もつかない場所に激痛を走らせることになるのです。

ところが、最初に挙げた二つの例でもわかるように、こうした背骨のゆがみから起こる症状は、通常、病院では「原因不明」とされることがままあります。

それは、一般の病院では触診を行わないため、背骨や筋肉の状態、柔軟性を理解できていないことに由来するのです。たしかに病院のレントゲンでは、骨のゆがんだ姿は写りますが、それだけではなぜ背骨がゆがんでいるかはわかりません。

背骨のゆがみからくる主な症状には、頭痛や肩こり、腰痛のほか、膝の痛みや腕・手のしびれ、踵の痛みなどがあります。下痢や便秘のように、背骨とは全く関連がないと思われるような症状も、背骨のゆがみが原因になっている場合が多いのです。

カイロ豆知識もくじに戻る