第5回

背骨のゆがみは、長年の悪い姿勢から

 

 

 

カイロ博士プロフィール

甲木寿人(かつき・ひさし)
早稲田大学卒業。2002年3月まで、早稲田大学体育局講師(非常勤)として「姿勢と健康」の講義を受け持ち、現在公開講座「生涯学習」を担当。
日本カイロプラクティックフォーラム会長を務める。

背骨のゆがみは、大きく分けると二つあります。

一つは、ねこ背です。医学用語では、「円背」(えんばい)といいます。これは背骨を真横から見た場合の形です。ねこ背は、私たち日本人に多い姿勢で、横から見ると背中が丸みを帯びています。丸みを帯びた頂点部分の位置で、私は、上から肩口ねこ背・真ん中ねこ背・腰ねこ背と区別しています。

もう一つは、背骨を正面(または背後)から見て、真っ直ぐであるべき背骨が左右どちらかにゆがんでいる場合です。胸椎(きょうつい)〜腰椎(ようつい)が右に突出していれば右(凸)側弯、左に出ていれば左(凹)側弯です。

この二つの背骨のゆがみは、長年の悪い姿勢がクセになって固まってしまったものなのです。

背骨のゆがみからくる主な症状
『肩口ねこ背』
頭痛(筋収縮性)、肩こり、テニス肘、腕のしびれ、腕の痛み、手首の痛み、指の痛み、五十肩、かぜを引きやすい、咽喉の痛み、空せき、ぜん息、息切れ・動悸(肺活量の減少)、狭心症

『真ん中ねこ背』
背中の痛み、肋間神経痛、胃酸過多、胃潰瘍、十二指腸潰瘍

『腰ねこ背』
椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、胃下垂(低血圧体質)、便秘

『凹円背姿勢』
下痢、腰痛
『脊柱側弯』
腰痛、ギックリ腰、股関節痛、膝の痛み、足首の痛み、下肢全体のしびれ、下腹部の痛み、鼠径部の痛み、生理痛、下痢(腹痛を伴う)

『首の骨のゆがみ、ストレスなど』
片頭痛、あごの痛み、歯痛(歯医者で原因不明の)、首の痛み、肩の痛み、自律神経失調症、吐き気、不眠症、眼精疲労、冷え性(肩こりは上肢の冷え、腰痛は下肢の冷え)

(注)肩こり、首こり、頭痛(筋緊張性)はねこ背共通の症状です。

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