メタボリックシンドロームの国内診断基準:ウエスト周囲径に異論

メタボリックシンドロームの国内診断基準:ウエスト周囲径に異論

4月28日に当HPに掲載しました
「知っていますか?死の四重奏「メタボリック症候群」」の診断基準の一つ、ウエストサイズに異論が続出しているようだ。
男性85センチは厳し過ぎ、基準をゆるめる方向につながる研究が出ている。
逆に女性90センチから80センチ以上に基準変更??
「最近おなかが気になって」という人にとって、注目の議論になりそうだ。

心筋梗塞や脳卒中になる危険が高いとされる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の診断基準について、
東京大学の研究チームは、新潟県新発田市で集めた692人のデータを解析。
血圧、血糖値など二つ以上の検査値が基準を上回ったり、高血圧などの病歴を持つ人をほぼ網羅するウエストは、
「男性85センチ以上、女性80センチ以上」だった。
九州大学の研究チームが、福岡県久山町の2452人分の健康データを解析したものでも、
女性は80センチを境に、心筋梗塞などの発症リスクが1・6倍に高まり、現在の基準の90センチでは発症リスクは変わらなかった。

さらに札幌医大が患者420人を調べたところ、血圧などの数値が二つ以上高い人の割合は
男性83・7センチ、女性80・8センチで急増。
一方、男性の基準について、九州大は、現在の診断基準より5センチ大きい90センチを境に、
心血管病の発症リスクが高くなる研究をまとめている。現在の診断基準は、
大阪大の研究チームが内臓脂肪の表面積から計算。
海外の基準は男性より女性の方が小さいのが一般的で「日本は女性のサイズが大きすぎ」との批判があった。
基準の検討に加わった松沢佑次・住友病院長(大阪市)は
「女性のウエストは皮下脂肪が多く、あいまいな数値にならざるを得ない。
ウエストの1センチ、1ミリに一喜一憂するのではなく、目安と考え、他の検査値の推移にも注意を払うべきだ」と話している。

(毎日新聞記事より)