第14回

緊張性頭痛は姿勢の悪さからくる

 

 

 

カイロ博士プロフィール

甲木寿人(かつき・ひさし)
早稲田大学卒業。2002年3月まで、早稲田大学体育局講師(非常勤)として「姿勢と健康」の講義を受け持ち、現在公開講座「生涯学習」を担当。
日本カイロプラクティックフォーラム会長を務める。

C子さん(30歳・会社員)は長い間「慢性頭痛」に苦しんできました。
医者にも以前そういわれていたのです。
体のどこといって特別悪いところはない、いろいろな検査で脳にも異常がないのに、首の後ろ側からこめかみにかけて、締め付けられるような頭痛が長く続いていました。
しかし、この頭痛は横になって寝ていると治まるのです。
お医者さんにもらったクスリはいっこうに効きません。
半ば諦めていたころ、人づてに聞いて、私のところに半信半疑で訪ねて見えたのです。
首の骨から背骨をちょと触っただけで、私には、この頭痛は姿勢の悪さが原因であることがすぐにわかりました。

緊張性頭痛は姿勢の悪さからくる
頭がいつも肩の前に出ていると、あごが上がって、首の後ろがすくむようになります。後ろ側の筋肉は、頭の重みで無理に収縮させられています。
この姿勢が続くと、まず、首がこってきます。長年この状態が続くと、首の後ろ側が痛いという感じになります。
そのうちりっぱな頭痛が起こるようになるのです。
これがC子さんの頭痛の原因だったのです。
C子さんばかりではありません。あまりにも多い頭痛なのに医療では治らないのです。

緊張性頭痛の特徴
この頭痛のことを、以前は筋収縮性頭痛または筋緊張性ストレス頭痛といっていたのですが、最近では精神的ストレス頭痛ということになり、緊張型頭痛といっています。しかし、これは明らかに間違いです。精神的ストレスの頭痛は、後述するように、血管性頭痛(片頭痛)なのです。筋緊張性頭痛の特徴は、C子さんの症状で述べたように、首の後ろからこめかみにかけての締め付けられるような痛みがあることです。
ねこ背であごが上がった姿勢が続く間に起こる頭痛なので、横になって、筋肉が頭の重量から解放されると、ウソのように痛みが治まってしまうのです。

筋緊張性頭痛は姿勢の悪さからくるものだと分かりました。
クスリが効かないとなると、一体どうしたら良いのでしょうか。
次回は、痛み始めてからでも間に合う、簡単な体操をご紹介します。

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