第16回

ストレスからくる偏頭痛と群発頭痛

 

 

 

カイロ博士プロフィール

甲木寿人(かつき・ひさし)
早稲田大学卒業。2002年3月まで、早稲田大学体育局講師(非常勤)として「姿勢と健康」の講義を受け持ち、現在公開講座「生涯学習」を担当。
日本カイロプラクティックフォーラム会長を務める。

筋緊張性頭痛は、姿勢の悪さが原因であることをお話してきましたが、慢性頭痛にはほかに、ストレスからくる次のような症状の頭痛があります。これらの頭痛は、姿勢に関係ありません

●偏頭痛
精神的ストレスによる頭痛の代表です。
30代の女性では5人に1人いるともいわれていますが、今では小学生にも珍しくありません。
ズキンズキンと拍動を感じる血管性頭痛です。
数時間から2、3日続く人もいます。週に何回か起こる人もいます。
頭痛時に首を回すとなお痛みがまします。
普通は、前の晩にいやなことがあり、眠れなかったりすると、翌朝からズキンズキンとした痛みになります。
このときは、頭痛のする側に首が回りにくくなっているはずです。
頭痛に吐き気を伴うこともあります。
このズキンズキンという拍動は、首の環軸関節のゆがみが、椎骨動脈を圧迫するための拍動を感じているのです。
日常的な頭痛であれば、たいていは薬局で販売しているクスリでよくなります。
幸い、この頭痛にはクスリが効きますが、環軸関節のゆがみが定着すると、だんだんクスリが効きにくくなるので注意して下さい。

●群発頭痛
ほぼ決まった季節や時間帯(明け方など)におこり、発作時には眼球の奥で、目を開けていられないほどの激しい痛みを伴う頭痛です。
脳の三叉神経が障害を受けたものと考えられます。これも精神的ストレスが原因の症状です。

以上が「慢性頭痛」といわれているのものです。
どんな痛みなのか、どのくらい続くのか、朝昼夜のどんな状態の時に起きるのか、できるだけ詳しく、ノートにメモしておくとよいでしょう。

激しい頭痛は病院へ
なお、次のようないままでに経験したことがない頭痛は、すぐに救急車を呼ぶか、病院に行くべきでしょう。それは、生命の危険がある脳出血やくも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など、脳の病気が原因で起こる頭痛の可能性もあるからです。
手足がしびれ、意識がぼんやりしている。吐き気があり、ろれつが回らない。
頭痛がだんだんひどくなり、急に吐く。
突然、何かで殴られたような痛みに、吐き気や、嘔吐の場合。
後頭部から頭全体に激痛と高熱がある場合。

カイロ豆知識もくじに戻る